2019-01-01から1年間の記事一覧

掛け算の順序を真面目に固定する

易しい「容器と個数」系の問題について、真面目に掛け算の順序を固定することを考える。 例題1 10個のケースに10個の箱が入っており、それぞれの箱には10個のボールが入っている。ボールの総数は何個か。 この問題について素直に式を書くと、 しかし…

掛け算の順序問題

算数教育における掛け算の順序問題というものがある。 ようするに掛ける数と掛けられる数には(導入時点では?)(何らかの意味で?)区別があるという固定派とそれはおかしいのではないかという自由派の論争である。 もう風物詩の域に達している気がするが…

モノ化概念のおぼつかなさの起源

フェミニズムと表現にまつわる議論で、しばしば「性的モノ化」という用語が登場する。この言葉のニュアンス、ふわっと言いたいことはほとんど自明である。人をモノのように扱うのはよくない、人を人として尊重しないのはよくない、というのはふわっとした意…

論理と戦略、マーケティング的ディストピア

色々と社会、政治的な論争を見ていて漠然と考えたことをメモしておく。 論理 論理(合理性といってもいい)は物事を考える上で最も基本的かつ、重要な要素である。何をするにしても論理が無いことには話にならない。十分な正しい前提と論理があれば、多くの…

性的とはどういうことか

ポスター論争やらなんやらがずっと続いているが、「性的」という言葉の使われ方が果てしなく混乱している気がしたので、そこを整理しておく。 「性的」の分類 ある事物が性的である。と主張する時、 主観か客観か 私にとってXという性質を持つ(主観) みん…

フェミニズム研究を頑張ってほしい

献血ポスター騒動で再び「もうええやろ」というレベルでフェミニズム関連の議論が巻きおこっている。それについてはとりあえず吉峯弁護士↓ twitter.com のtweetを追っていれば間違いがないという印象で、非常に丁寧で抜かりがない議論をされていて、どういう…

教師間いじめ(暴行)事件で思ったこと

神戸で起きた教師間いじめ(暴行)事件が話題になっているが、それについて根拠のない思いつきと妄想をメモしておく。 社会性・コミュニケーション能力 「いじめ」に関し加害者の社会性を問題とするむきもあるが、これはむしろ逆であるように感じる。社会性…

芸術的価値を決めるのは誰か

あいちトリエンナーレの問題がまだ色々再燃し混乱が広がっているが、 大衆的な民主主義の時代においては、一番の権力者は民衆です。彼らに全く受け入れられない「アート展」には持続可能性がありません。公共の場を借りた展示が、多くの人の学習意欲を満たし…

表現は別にそんなに自由ではない

あいちトリエンナーレの騒動を追っていて、表現の自由について色々考えた。 その過程で確認したこと、気になったこと、思いついたことを整理し、まとめておく。 抗議や批判も表現である 脅迫は犯罪である。一方的な禁止や強制排除は表現の自由に反している行…

「知ること」について考えたこと

甲状腺がん検診の議論を追っている中、以下のようなツイートを見た。 予後が変わらないのであれば、がんは遅く見つかったほうがいい面があるのです。これがわからないと、みんな早期発見早期治療病から抜けられない— 名郷直樹 (@nnago) 2019年6月30日 これは…

トランスジェンダー周辺のメモ

トランスジェンダーの定義に関する自分の理解 肉体の性と心の性が一致しない、つまり内面的に異性であるという状態、あるいはその状態である人のことを指す。器質的差異による診断ではなく、基本的に自己申告に基づいて医師から認定される。 疑問点 女装者、…