フェミニズム研究を頑張ってほしい

献血ポスター騒動で再び「もうええやろ」というレベルでフェミニズム関連の議論が巻きおこっている。それについてはとりあえず吉峯弁護士↓ twitter.comtweetを追っていれば間違いがないという印象で、非常に丁寧で抜かりがない議論をされていて、どういう立場の人にも読んでほしいと感じる。
それはそうと、この議論を中で(まあ前から思っていたことだが)フェミニズムが目標とすべき学問としての在り方について、思ったことを述べる。

疫学調査

フェミニズム(もっというと社会学)にやって欲しいのはこれである。もちろん文字通りの意味ではなく、まず思弁的な主張(これはもう控えめでいいと思う)と実証的な主張を分離し、実証的な主張のためには社会調査をやり、その際には疫学調査に求められるような厳密さを目標にしてほしいという意味である。具体的には、研究モデリングや統計処理をしっかりやり、アカン研究をしたら即大目玉を喰らうようにしてほしいということである。

利益相反

疫学ではしばしば利益相反が問題となる。タバコ会社によるタバコの影響の研究が、より厳しい批判にさらされ、複数の研究と合わさる時に比重が小さくなったりするやつである。その観点からいうと、フェミニズム研究をフェミニストがやるというのは、常に利益相反の状態である。タバコの影響の論文が、タバコ会社からしか出てない状態である。フェミニズム関連の学術関係者は、そういうヤバい状況である自覚を持つべきであろうし(運動家と割り切ってる人も相当数いそうであるが)、タバコ研究でボロクソに叩かれるタバコ会社を見習って、批判を真摯に受け止める必要があるだろう。

社会影響

間違った社会学的主張は間違った疫学的主張ほどには取り締まられない。まあ多少間違っても社会影響は大したことないし、直ちに人が死んだりしないし、という感じなのだろう。しかし、表現の社会影響を強く訴える立場で、そういう怠慢なロジックに乗っかるのは端的にダブルスタンダードである。

頑張ってほしい

フェミニストは、フェミニズム研究を頑張ってほしい。利益相反でボロクソに言われる疫学研究並の品質を目指しちゃんと頑張って欲しい。